幼児期 [幼児期]

幼児期とは生後1年以降から就学前までの時期をいう

身長、体重の発達は、乳児期に比べ緩やかになる

身長:出生時に比べ1歳で約1.5倍、3歳6か月~4歳約2倍

体重:出生時に比べ1歳で約3倍、2歳6か月で約4倍、4歳で約5倍

頭と身体バランス:新生児4頭身、2歳児5頭身、6歳児6頭身、12歳以上7~8頭身

骨年齢:手根骨の化骨核の数はおよそ年齢+0~1個、12歳ごろには10個にそろうため、全体の発育の程度     を知る目安となる

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歯:生後6か月頃から下顎中切歯2本、1歳で上下8本、2~3歳で上下20本の乳歯がはえる。
  6歳ごろから乳歯が抜け始め、永久歯に変わる。
  永久歯は32本(親知らずを含む)

幼児期の機能的成長.jpg
訂正!!呼吸機能、幼児は胸腹式呼吸!!

母体から移行したIgGは3か月で半減、半年で消失し、体内で産生を開始。

神経系の発達:脳重量は5~6歳で成人の約90%に達する

感覚機能:視覚は生後6か月頃には成人と同等の機能を果たす。6歳ごろまで発達する。

乳児期の血圧:80~90/60mmHg

幼児期の血圧:90~100/60~65mmHg

体温:36.7℃~37.0℃
体表面積に対して汗腺の数が多い。新陳代謝が盛んで成人よりも体温が高い。

呼吸回数:20~30回/min
胸腹式呼吸で一回換気量が少ない。浅表性の呼吸である為、呼吸回数が成人よりも多い。
*浅表性の呼吸→浅い呼吸

体水分量:新生児75~80%
       乳児65~70%
       幼児60%
       成人60%
       老人55%

水分必要量:乳児120~150ml/kg/day
        幼児80~90ml/kg/day
成人40~50ml/kg/day

尿量:乳児300~500ml/day
幼児500~700ml/day
成人1500ml/day

不感蒸泄:乳児50~60ml/kg/day
幼児40ml/kg/day
成人20ml/kg/day

新生児・乳児期2

乳児期の栄養
多くのエネルギーや栄養素を必要とする乳児期にとって、身体的な発達を支えるために適した栄養は乳汁です。
母乳は乳児の栄養として最適なものとなります。

種類母乳栄養
人工栄養(調整粉乳)
混合栄養(母乳と人工栄養を使用)

母乳栄養の特徴

消化吸収が良い・・・・・・・・・・・タンパク質組成ではカゼインの比率が低いために、消化吸収が優れている。

感染防御因子が多い・・・・・・・特に、分娩後の3~4日までに分泌される母乳は初乳と言って、感染防御因子                   (分泌型IgAなど)が多い。

アレルギーを起こしにくい・・・・母乳は胎児と同質のタンパク質組成からなっているために、アレルギー反応                    が起きにくい。

母子相互作用がある・・・・・・・・授乳時の母子のふれあい、互いの満足感など母子間の愛着形成、安定した                   親子関係に関与する。

産後の母体回復・・・・・・・・・・・・吸綴刺激によるオキシトシンの分泌は支給収縮を促す。

母乳栄養と人工栄養の比較
母乳・・・・・・・・栄養バランスが最適であり、消化しやすく、糞便中にはビフィズス菌を多く含む。
         しかし、ビタミンKの含有量は低く、母乳のみで育てた場合、頭蓋内出血や新生児メレナ(消化         管出血)を起こしやすい。
         そのため、予防策として生後にビタミンKシロップが投与される。
         仮性メレナとは分娩時に母体血を嚥下したために吐物や弁に血液が混ざること。

人工栄養・・・・母乳の成分に類似しているがミネラルの一部が母乳よりも多く含まれているため、消化面では         やや劣る

離乳月齢が進むにつれ、消費される栄養、エネルギーが増してくる。
母乳栄養、人工栄養だけでは補うことができなくなるため、固形食への移行が必要になる。
このように乳汁の実の栄養から、固形食より栄養を摂取する形態に移行する過程を離乳という。
2007年に策定された「授乳・離乳支援ガイド」によると「離乳とは、母乳または乳児用ミルク等の乳汁栄養から幼児食に移行する過程をいう」としている。

離乳食の開始
食形態・・・・滑らかにすりつぶした状態の食物
時期・・・・・・おおむね体重が7kgのころ。5~6か月が適当。
発達の目安・・・首がすわり、支えてやると座れる。食物に興味を記す。哺乳反射の減弱。
乳児の咀嚼、嚥下、消化、吸収能力などに合わせながら進める。

なお、離乳の開始前に果汁を与えることは栄養学的に意義は認められない。

離乳の進行
離乳の開始後、ほぼ1か月間は、離乳食は1日1回、母乳または乳児用ミルクは子供の欲するままに与える。
離乳食を飲み込む、舌触りや味に慣れることが主な目的である。

与える食物の例
おかゆ(アレルギーが少ない)
慣れてきたらジャガイモ、野菜、果物
さらに慣れてきたら豆腐、白身魚など、種類を増やしていく。

はちみつに関して
乳児ボツリヌス症予防のため満1歳までははちみつを与えてはならない。

離乳開始後1か月を過ぎたころから、離乳食は1日2回
母乳または乳児用ミルクは離乳食摂取後に与える。母乳はこどもの欲するままに与える。
乳児用ミルクは1日3回程度与える。
生後7、8か月から舌でつぶせる硬さの物を与える。

与える食物の例
卵は卵黄(固ゆで)から全卵へ
魚は白身から、赤身、青皮魚へとすすめていく
生後7、8か月頃から卵黄1~全卵1/3を与える
ヨーグルト、チーズ(脂肪、塩分の少ないもの)を用いてもよい
鶏肉(脂肪の少ない)、豆類、各種野菜、海藻と種類を増やしていく
脂肪の多い肉類は少し遅らせる
野菜類には緑黄色野菜も用いる

生後9か月から
離乳食は1日3回
歯茎でつぶせる硬さの物。量は食欲に応じて増やし、離乳食の後に母乳または乳児用ミルクを与える。
離乳食とは別に、母乳は子供の欲するままに、乳児用ミルクは1日2回程度与える。

与える食物の例
赤身魚、赤身の肉、レバーなど(鉄が不足しやすいため)
調理には牛乳の代わりに乳児用ミルクを利用するとよい

離乳の完了
離乳の完了時期は生後12か月~18か月頃。
離乳の完了とは、形のある食物をかみつぶすことができるようになり、エネルギーや栄養素の
大部分を乳汁からではなく食物から摂取できるようになった状態をいう。
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新生児期・乳児期

新生児期と乳児期の生後1年間では、中枢神経や筋肉・感覚機能の違いに伴い、姿勢の保持や
粗大運動が目覚ましく発達する。

新生児期から乳児初期には、運動能力の発達の第一段階として姿勢保持などに
必要な反射運動がみられる。
反射が消失することで意識的な動作がスムーズに行われるようになる。


粗大運動(全身を使う運動)の時期と特徴

首のすわり・・・・4~5か月・・・・乳児期初期の最初の姿勢保持

寝返り・・・・・・・・6~7か月・・・・自分で仰臥位から腹臥位に変わるようになる

おすわり・・・・・・8~9か月・・・・6か月ごろには手をつなげば少しの間は座位を保つことができる

はいはい・・・・・9~10か月・・・・手と足ではって前進する

つかまり立ち・・10~11か月・・・何かにつかまって一人で立ち上がる

一人歩き・・・・・1歳3~4か月・・筋肉の発達、運動神経、平衡感覚の発達によってはじめることができる




手先の微細運動
手や足の全体運動から始まり、手掌や指先の運動の様に中枢から末梢の方向に発達していく。
生後2~3か月頃までは把握反射がみられる。
物の把握は、生後6か月ごろまでは手掌全体で包むように行うが、生後12か月では指先でつまむことができるようになる。




新生児期にみられる反射の種類と出現・消失

1 出生時に存在し、4~5か月までに消失する反射(原始反射)
  モロー反射・追っかけ反射・吸綴反射手掌把握反射など

2 出生時に存在し2歳ごろに消失する反射
  バビンスキー反射(成人では錘体路の生涯を示す病的反射)


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